野外クラシックコンサート【Rathausmarkt Open Air 2022】

~Event-Net GmbHがクラシック音楽のハイライトにPro-Ribbonシステムを提供~

中世の元ハンザ同盟の自由ハンザ都市であるハンブルグは2022年に再び、クラシック音楽を愛する市民をラートハウスマルクトオープンエアーに招待しました。これはスター指揮者ケント・ナガノの指揮の下、国立フィルハーモニー管弦楽団の新しいコンサートシーズンの到来を告げるものでもあります。

2019年以来、コンサートの音響とミキシングを担当するのはミュンヘンを拠点とするFARAO Studios GmbHですが、今回は代理としてベルリンのCreativsound社/ウーヴェ・ビースゲン氏がAlcons Audioプロリボンシステムで音響プランを作成し、システムエンジニアとして現場を管理しました。

導入システム

ハレ(ザール州)を拠点とするEvent-Net GmbH は有能でクラシックに精通したサービスプロバイダーであるため、Rathausmarkt Open Airの音響技術全体の提供と設置を任されました。

より大型のダブル14インチ3ウェイシステムのLR28が使用された2019年とは対照的に、今年はややコンパクトなダブル12インチ3ウェイシステムのLR24プロリボンラインアレイシステムを選択しました。

2019年の記事はこちら

LR24は、コンパクトなLR18(ダブル8インチ3ウェイラインアレイシステム)と大型のLR28のラインナップ間のギャップを埋める中型ラインアレイシステムです。
複数の特許を取得しているPro-ribbonテクノロジーを採用したこのシステムは、非常に広いダイナミックレンジと、歪みを最大で90%抑えた素早い過渡応答を提供します。
これにより、あらゆる音圧レベルで最適な明瞭度と非圧縮の自然なサウンド体験を提供しながら、直感的なリニアレスポンスが可能になります。

Event-Net GmbHは今回、メインシステム用に32台のLR24(16対抗)を持ち込みました。

更にセンタースピーカーには14台のLR18、ニアフィルとして9台のLR7(6.5インチ2ウェイマイクロラインアレイシステム)が使用されました。
またそれまではニアフィル用として9台のVR8(8インチ2ウェイポイントソースシステム)を使用していましたが、今回はステージの全高が低かった為にLR7に変更されています。

そして22台のBC543(3×18インチカーディオイドサブウーファー)で構成されたベース アレイが、オーディエンスサウンドシステムを完成させました。
ステージ内のモニター用に12台のLR7(3台のアレイを4か所)、4台のVR8、4台のQRP20/90(4×6.5インチ2ウェイポイントソースカラムアレイ)を設置しました。

更に6台のLR7がスペアとして利用可能でした。

このシステムは31台のSentinel10(DSP内蔵4チャンネルパワーアンプ)によって駆動されました。そしてデジタル信号の分配とアンプの制御は、RiedelのRock-Netネットワークによって処理されました。

ディレイシステムとアウトフィル

今年のハンブルグクラシック音楽のハイライトではかなり多くの来場が予想されていたため、Creativsound社とウーヴェ・ビースゲン氏はディレイシステムとして、LCRに4台のQR24/80 と2台のQR24/110 (4×6.5インチ2ウェイポイントソースカラムアレイ)を使用したほぼ4メートル(13フィート)のアレイ長を持つシステムをBF121(12インチサブウーファー)と組み合わせて使用しました。

アウトフィルには4台のQR24/80に、2台のBC543を組み合わせたシステムを採用しました。

アウトフィルはベースアレイと同じレベルに配置されていたため、同じベースシステムが使用されました。

メインシステムと同様に、ディレイシステムとアウトフィルは9台のSentinel10によって制御および駆動されました。

ディレイシステムは、FOHの延長線上に設置されました。

コメント

「QR24システムは、音響的にも視覚的にも非常にうまく調和しました。これは非常にコヒーレントな分散動作によるもので、ステージへの定位を乱すことなく長距離でもクリアなサウンドを提供しました。ディレイの位置が『邪魔な構造』として視覚的に認識されないようにするために、スピーカーの狭いデザインを利用して元々建っている街灯の真正面に配置しました。」

「システムのパフォーマンスは非常に良好で、大型のLR28を使用して2019 年に達成した結果に匹敵するものでした。今回も運営側や演奏者、そして観客など全ての方たちがサウンド体験に非常に満足していました。」

使用製品