Alcons Audioのリボンドライバーは、フィリップ・デ・ハーン シニアによって開発されました。R&Dのエンジニアである彼は、20年以上に渡りリボントランスデューサーテクノロジーの開発設計に携わっています。その間、彼は多くの重要な特許を取得しており、今日の高出力プロリボンテクノロジーの「父」と呼ばれています。
デ・ハーン氏曰く、「1983年以来、私たちは新しい材料、技術、生産プロセスについて多くの研究を行い、着実に知識を蓄積してきました。その過程で市場にあるほぼ全ての中〜大規模リボンドライバーのテストを行い、それにより蓄積されたノウハウが今日の新世代リボンドライバーを生み出す元になっています。RBN601がその最初の成果です。」
リボンドライバーとは
SA-CD(Super Audio CD)のような今日の新しい高解像度メディアを再生する上で必要な、「高速過渡応答」と「正確な再現性」をバランスよく兼ね備えている為、ここ数年に渡りリボンドライバーはプロオーディオ市場で人気を集めています。軽量で反応性の高いダイアフラムは、より遠くまで非常に明瞭な音を届けます。
リボンドライバーは既存のドームツイーターやコンプレッションドライバーに比べ、約1/10という非常に低い歪み率を特長としています。
ドームツイーターやコンプレッションドライバーとは動作原理が異なる為、リボンドライバーには「圧縮」という概念がありません。その為、すべての音圧レベルで同じ音のバランスを維持します。フラットな特性は、「ハウリングマージン」の増加に寄与します。
Alcons AudioのRBNプロリボンドライバーは、本当の意味での90°水平指向性を提供する唯一のリボントランスデューサーです(特許取得済み)。
正確で広い指向性と自然な円筒波パターンを組み合わせることにより、ラインアレイアプリケーションに最適なシステムになります。
RBN1801
2つの特許を備えているRBN1801は、3000W(ピーク)の耐入力を備えた18インチのプロフェッショナルリボントランスデューサーであり、現在市場で最も強力なリボンドライバーです。Alcons AudioのRBNリボントランスデューサーは、20kHzまで正確に90°の水平指向性を保ちます。
もちろん複数の小さなドライバーでより大きな放射面を作成できますが、これでは正面放射の角度を大幅に犠牲にしなくてはなりませんでした。
RBN1801は定格210Wの入力(ピーク値3000W)と出力音圧レベル108dB(1W/1m)の、非常に高いスペックを有しています。水平指向角度90°のウェーブガイドとの組み合わせで出力音圧レベルは110dBまで上昇し、最大音圧レベルは145dBです。
RBN601/RBN401
RBN601は特許出願中の熱管理システムとリボン本来の卓越した効率により、定格70W(ピーク値1000W)、出力音圧レベル103dBものスペックを有する強力なリボンドライバーユニットとなっています。その力強いサウンドと「Alcons Green」のカラーで、ドライバーは「ハルク」と呼ばれています。
RBN401はRBN601のコンパクト版です。
定格50W(ピーク値800W)、出力音圧レベル100dBのスペックで、「ベビーハルク」と名付けられました。
「私たちが相手にするマーケットでは、テクノロジーだけでなく生産プロセスの正確性も重要です。このタイプのトランスデューサーテクノロジーの生産には、真の職人技と経験が不可欠です。私たちは、その両方を持ち合わせています。」とデ・ハーン氏は言います。
リボンツイーターはこれまで、低出力、低効率、低インピーダンスで、壊れやすいというイメージをもたれていました。
しかし軽量なダイヤフラムにより、リボンは特に8kHzを超える周波数での応答に大きな利点をもたらします。周波数特性上でのこの「領域」では、リボンは「コーンブレークアップ」とそれに起因する歪みの影響を受けません。RBN Pro-ribbonドライバーはリボントランスデューサーの分野で飛躍的な進歩を遂げ、一般的に見ても高出力なトランスデューサーとなっています。
デ・ハーン氏は、「今日のリボンテクノロジーのステータスは、プロフェッショナルサウンドの進化において正しい方向に向かっていることを証明しています。しかし、現在はこのテクノロジーの大きな可能性のほんの一部しか利用されていません。」と考えています。
プロリボントランスデューサーのRBNシリーズは、中規模から大規模のすべてのAlcons Audioシステムに搭載されており、さまざまなウェーブガイドと組み合わせれています。