浅草VAMPKIN様
導入システム
スピーカー
・LR7/120 x8台
・BF302iMK2 x2台
・VR12/90 x4台
・VR12/90M x4台
アンプ
・Sentinel3 x2台
・Sentinel10 x2台
取材日 2023/9/23
インタビュー会場:浅草VAMPKIN
アルコンズオーディオユーザーインタビュー
〇ユーザー様 株式会社ベースオントップ 音揃様(以後 音)
□インタビュアー イースペック株式会社 西田 (以後 西)
西:本日はよろしくお願いいたします。
音:よろしくお願いいたします。
〇AlconsAudioを知ったきっかけは?
音:西田さんからのご紹介ですね。(有)ティースペック橋本さんのFacebookでも見かけていて、AlconsAudioを試してみたよ。って投稿も読んでいたんです。そのあとイースペックさんのAlconsAudio試聴会でも聞かせて頂きました。
西:来ていただいてありがとうございます!となると初めて聞いて頂いたのは弊社試聴会ですか?
音:そうですね。
西:初めて聞いた時の第一印象はいかがでしたでしょうか?
音:純粋に音が綺麗だなと思いました。高音が綺麗だと。今までのSRスピーカーとは感覚が違うなと思いました。
その時の印象だと、最初は低音にパンチが弱いなとは思いました(笑)
西:今はその印象はない?
音:試聴会の時は、12インチのウーハーだったと思うんですけど、今は15インチ2発のBF302iMK2を入れているので、全くないですね。
〇実際に導入して使ってみた感想はどうでしょうか?
音:いわゆる出音のレスポンスが圧倒的にいいですね。音が目の前にいるというか、速く感じます。遅れてくる感じがないというか。低音のタイトな立ち上がり~減衰の早さもめちゃくちゃ凄いなと感じましたね。
ちゃんと鳴った瞬間だけ鳴っているなっていう。
西:余韻はほとんどないというか、コントロール出来ているっていう感じでしょうか。
音:純粋なそのままの出音が再現されてるというか。
割と僕、関西の時にクラブ音響をしていることが多かったんですが、その時のスピーカーって口径が大きいものが多かったので、サウンドシステムがドカーン、ツイーターもでっかいホーンのような海外製スピーカーが多かったんです。そうなるとずっとローがドーーンって、サスティーンがコントロールされていないセッティングの太鼓を叩いている時みたいな。低音がブンブンと繋がってしまう感じの大口径サブウーファーが特徴的な箱が多かったんです。
そういった意味でAlconsの綺麗なレスポンスには本当に驚きました。
西:出演者の方の反応はどうでしょうか?
音:音が聞きやすいって言ってくれますね。マイクロアレイの6.5インチなんで、見た目で「スピーカー小さいですね。」ってなるんですけど、実際に現場に入っていざ音を出してみると、こんなに出るんですね(笑)と。
モニタースピーカーで導入させていただいたVR12も同じくリボンドライバーなので高音の立ち上がりもいいです。キックとかハイハットとかのリズム一発目のアタック音がしっかり聞こえる感じ、リズムが取りやすいですね。
乗り込みで来られたゲストオペレーターの方からの評判もめちゃくちゃ良いです。
これ面白いスピーカーですねってみんな言ってくれます。筐体サイズの割には迫力のある音がしっかり出るので、見た目でこんなもんかな?って出してみたら、出すぎてびっくりするって言われるくらい(笑)
見た目との差が大きくて、いい意味で驚かれます。とても評判がいいです。オペがやりやすいと。
西:嬉しいですね(笑)
音:逆にたまに思うのが、音が素直すぎるというか。めちゃくちゃミックスの良いというか、サウンドプロデュースがしっかりしている曲はそのまんまの音が出るんですけど。失礼な言い方かもしれませんが、それなりにMixされた音源だと、それなりに素直に出てしまうのが、難しいなって思うことも。
西:そのまんま出ちゃうんですよね(笑)
音:そうですね。
〇導入の決め手は?
音:一回イマ―シブサウンドでの試聴会をやってた時ありましたよね?
西:弊社機材展(2022年東京会場)でやらせて頂きました。
音:それですね。その時に丁度浅草VAMPKINを立ち上げる話が生まれてて、会社的にはお馴染みの決まったメーカーさんがあったんですが、そのタイミングでコロナ禍な状況もあり在庫が無くて、、、
その時に、機材展でAlconsを聞いてまず、出音が気に入りました。使いたいなと思っていて、僕が絶対Alconsがいいよと上司にプレゼンした感じはあります(笑)
あとはLRシリーズだと、大体1インチにつきだいたい1㎏ちょっとぐらいの軽さなんですよね。それがめちゃくちゃいいなと。
西:LR7は8㎏ですからね。
音:LR14とかだとさすがにダブルドライバーなので少しは重たいんですけど、それでも14㎏くらいで、慣れたスタッフであれば、女性2人でも簡単にスタックできちゃうかと。LRシリーズの軽さにびっくりですね。
〇リボンドライバーの印象はどうお持ちですか?
音:導入された先輩方が言っている通りだと思うんですけど、正直今まで現場で使うことってほとんどなくて。どっちかというとスタジオのモニタースピーカーに入っていたりだとか、あとは海外製のヘッドホンやライブ向けのマイクに入っている印象で。どっちかというと弱そうだなとか、ライブ向けじゃないとか、上の方がチリチリしているんじゃないかって印象でした。
結果聞いてみると、凄い素直で。カタログに書いてある通り、そのまま円筒型に音が出るのが凄い。オペレートしていて、ちゃんとラインアレイって感じで、満遍なく客席へ音が出てるな。って印象に変わりました。
西:最初の印象からは大分変わったと
音:変わりましたね。
〇一番気に入っているところは?
音:きっちり指向性通りに鳴ってくれるので、モニター環境がめっちゃ気持ちいいんですよ。
例えば、最近のアイドルさんってしゃがみながら歌う振り付けが多かったり、昔よりもセンターに立って人が歌うというよりも、いろんな立ち位置の子が順番にマイクを回していく歌割が多かったりするんですけど、どこの位置いても素直に聞こえるというか。回り込みも少ないですし
西:なるほど
音:自身のオペレートのやり方を考え直せるというか、卓で触った音が素直に出るので、そこがオペレートしていて面白いなって。
西:1デシベル切ったら、1デシベル下がるみたいな
音:そうそう、ちゃんとそのまま下がるんですよね。
西:2デシ上げたら、2デシ上がるのは当たり前ですけど、実際は上がらない物も一杯ありますよね。
音:そうそう。
〇導入した機材で一番気に入っているのは?
音:LR7ですかね。さっき言った超高域までしっかり出せるってのはもちろんなんですけど。
導入から一度スタックを組みなおしたことがあるんです。当時の新人の子と、他セクションの子と自分の3人だけでやったんですけど、それでもパパっと組めちゃいます。
西:あまりに重いと、あぶないあぶない!みたいな
音:そうやって持ったらだめ!みたいな。せーので持ち上げるよ?ってやることが多いんですけど(笑)軽いのでその心配少ないです。小~中規模な外現場で使ってみたいですね。
〇ALControlは使用してみてどうですか?
音:コントロール画面は海外製品って感じですね。
自由に出来るなってのは思いますね。好きな配置に並び替えたりが柔軟です。
ただ、気になる点があるとすれば、EQを触るとたまにパツッて音が鳴ることがあるので、そこがオペレート中にちょっと気になるかなってとこ。
〇今後、AlconsAudioへの要望はありますでしょうか?
音:360°のスピーカーが聴いてみたいですね。もし出来るならですけど(笑)
バーラウンジや、ちっちゃいホールの後ろに1発おいておけば、全体的に音が出るみたいな。そういうもの自体がなかなかライブPAはないんですけど。それがあったら、凄い面白いかなって思います。導入前にLR7/90をデモ機でお借りしてたんですが、本導入でLR7/120に変えた時に本当に素直に30°広がったんです。音の出ている範囲が目に見える感じが結構する。360°の全方位型のスピーカーがあったら本当に面白そうですね。
〇今後導入を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
音:自分がどう音響をコントロールしていくかを凄く考えさせてくれるシステムです。これでオペレートをすると、オペレートが上手になるんじゃないか?とすら思えるスピーカーです。勿論オペレーターさんの好みもあるかと思いますが、自分の出した音が素直に出る。それが本当に勉強になっています。
自分のオペレートのやり方を、このジャンルだったら、こういう音が流行っていくんだろうなって、オペレーションに対する考え方を改めさせてくれる。自分たちの出したい音に寄り添ってくれる、とても良いスピーカーだと思います。
原音再現、歪の少ない音を目指すなら最適です。
西:今日はありがとうございました。
音:ありがとうございました。
プロフィール
音揃裕次(おんぞろ ゆうじ)
株式会社ベースオントップ ライブハウス事業部 関東エリア 音響チーフエンジニア1987年大阪生まれ。KILL MY 27 (Noise&Mix)
ライブハウスやクラブなどでのオペレーターを経て、2012年 音響・照明・映像業務やスタジオ&ライブハウス運営などを取り扱う株式会社ベースオントップに入社。2021年より東京に拠点を移し、ライブハウス音響管理を行い傍ら、様々なアーティストのPAオペレートを行う。