地下鉄トンネル内のナイトクラブ【FLEX】
ウィーンのFLEXがプレミアムサウンドでクラブシーンの頂点に返り咲く
閉鎖された地下鉄トンネル内というユニークな場所にあるFLEXは、1990年以来さまざまなスタイルの新人や国際的なアクトによるダンサブルなビートとライブコンサートを提供してきました。
FLEX はヨーロッパで最も有名なクラブの 1 つであるだけでなく、オーストリアの首都で最高のサウンドを提供することでも知られています。
その最高のサウンドは、Alcons Audioによるものです。FLEXのサウンドシステムはクラブとともに進化し、長年にわたってさまざまなシステムが導入されてきました。2007年以降はオーストリアのAlcons AudioディストリビューターであるPro Performance社によって、すべてが計画され導入されてきました。当初、2007年に6台のQR36(6×6.5in 2way)モジュラープロリボンラインソースアレイコラムスピーカーがメインフロアに設置され、さらに2台のQR36がクラブの入り口に隣接するカフェに設置されました。そしてこのシステムを駆動する為に、3台のSentinel10が導入されました。
さらにメインフロアのサブウーファーシステムが更新され、5台のベーススピーカーがカフェのサウンドシステムとして追加されました。
2007年当時の要望は、必要最小限のスペースと最大限のパワーでした。Alcons Audioのプロリボンテクノロジーは最高の音質と最大出力の組み合わせに関して、当時も現在も市場をリードしています。そして、FLEXは次の進化を遂げ、すべてのサウンドシステムを一新することになったのです。8台のQR36ラウドスピーカーは15年間の運用で一台も故障することなく、クラブの広い屋外エリア(ウィーンの夏のホットスポット)に移動されました。
Alcons AudioのQR及びQMプロリボンシステムを備えたメインフロア
2022年以降、メインフロアでの音響の役割は、8台のQR24フルレンジモジュラープロリボンラインソーススピーカー(4台のQR24/80と4台のQR24/110)と、2台のQM24モジュラーラインソースエクステンションLMFによって担われています。これらのシステムは、約3,3mにもなる左右の2つのアレイを形成します。
低域システムは4台のBC543(3x18in)カーディオイドベースシステムがステージ両側に2台づつ配置され、さらに別のメーカーの広帯域FRPAアブソーバーが使用されています。特別に構築されたホーンサブウーファーシステムは、両側に4つの15inシャーシを備えたコンクリートベースシステムであり、深くお腹に感じられるようなローエンドを提供します。
このシステムで、FLEXの伝統である力強い低音感を生み出します。
今回使用されたQR24はモジュラー2ウェイコラムラウドスピーカーで、垂直アレイシステムとして使用できます。音響的に最も困難な環境でも、完全に自然でダイナミックなサウンド再生と優れた明瞭度及び遠達性を兼ね備えています。
QM24モジュールはQR24に追加する中低域モジュラーカラムラウドスピーカーで、QR24と組み合わせて更なる中低域のスローを提供します。
Pro Performance社 ヴォルフガング・ザウター氏:「顧客はFLEXがライブイベントやコンサート、クラブナイトの両方を主催しているため、非常に柔軟なソリューションを必要としていました。メインフロアには優れたスペースがあり、ホーンサブウーファーシステムと組み合わせて壮大なサウンドを提供します。部屋の奥行が非常に長いため、 Alcons Audioの革新的なQR24システムが最適でした。他のクラブと同様にFLEXではもちろん、システムの設置でできるだけスペースを消費しないことが重要です。」
メインフロアではQR24とQM24へのアップデートにより、ヘッドルームが大幅に拡大され処理能力が向上しました。
ラインソーススピーカーも部屋のデザインにうまく溶け込み、新しい高性能スピーカーでアップグレードされたホーンサブウーファーシステムと完全に調和します。
FLEX Caféのサウンドシステムの最適化
しかし人気のFLEX Caféでは、まったく異なる要件を満たす必要がありました。この部屋には反響の問題がありました。このためPro Performanceチームは、後部での低音のキャンセリングを最大化するために、ベーススピーカーにエンドファイア構成を選択しました。
同時にカフェで必要な音量を確保するために、低音吸音材が設置されました(20、25、35Hz)。このため、Alcons LR18プロリボンラインアレイシステムによる追加の出力が必要となりました。
ベースシステムに加えてカフェのサウンドシステムは現在、ステージの両側にそれぞれ3台のLR18/90が設置され、2台のALC4とSentinel10で制御/駆動されています。
ヴォルフガング・ザウター氏:「FLEX Caféは天井が低いです。ここでLR18を選択したのは、水平面全体に均等に分布する優れたサウンドを提供するためです。LR18はベースシステムとの組み合わせが非常によく、クリアでパンチの効いたサウンドを提供します。カフェでは合計7つの低音吸音材が使用されています。これにより低音の吸収が大幅に改善され、音楽をさらに盛り上げることができます。」
アンディ·ボグナー氏(FLEXのサウンドエンジニア):「FLEXの新しいシステムは、私と国際的なバンドの多くのエンジニアの両方を100%納得させ、コンサート後に聴衆からも多くの称賛を受けました。そういう意味では、私は毎日新しいシステムでミックスできることを嬉しく思います。」
コメント
ヴォルフガング・ザウター氏:「Alcons Audioは少なくともナイトクラブのレベルでは、ウィーンのサウンドそのものです。FLEXは世界で初めてAlcons Audioのラウドスピーカーを使用したクラブです。顧客がAlcons Audioを選択した主な理由は、【信頼性と全体的な製造品質】でした。近年Pro Performanceではさまざまな会場にAlcons Audioオーディオ ソリューションを設置しました。FLEXへの設置は、ウィーンとヨーロッパの両方で非常に特別なものでした。2007年当時、クラブではラウドスピーカーの鳴き比べが開催されました。 結果、Alcons Audioは優れた音質だけでなく、当時市場に出回っている他のカラム型スピーカーが少なかったこともあり選ばれました。そして2022年、Alcons AudioはQR24シリーズでまだ先を行っています。」
「FLEXは非常に満足しています。カフェは当時、常に音響上の問題を抱えていましたが、今ではウィーンが提供する最高級のフロアと容易に競争ができるフロアに変わりました。信じられないほど素晴らしいメインフロアと合わせて、FLEXは間違いなく、ヨーロッパのクラブシーンのトップに返り咲いています。」